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プッシュ系トレーニングとプル系トレーニング
トレーニングの分け方として、プッシュ系トレーニングとプル系トレーニングというものがあるのをご存知でしょうか?
例えば、腕立て伏せのような”押す” 動作はプッシュ系トレーニング、懸垂のように”引き寄せる” 動きはプル系トレーニングというイメージです。
自分が行っているトレーニングが、プッシュ系なのかプル系なのか理解できていますか?また自分の弱みを強みに変えていくにはどちらから行えば良いかを理解していますか?
なんとなく、今日は腕立て伏せがやりたい気分だから!とか、今日はスクワットやりたくないから上半身のトレーニングやろうかな〜という決め方をしていませんか?
そんな方がいたら、まずプッシュ系から鍛えるべきです!
これは神経的なコントロールがプッシュ系の方が弱ってしまいやすかったり、体幹を安定させることでトレーニングの効果を最大限にするのに役立つからです。
例えば野球のバッティングで言えば、下半身の力を上手くバットに伝えるように体が連動できるようになったり、サッカーで体がブレずに強いキックを蹴る時なんかに役立ちます。これらは一例ですが、どのスポーツにも必ず必要なカラダの連動を作ることができます。
私も選手のトレーニングを担当するときはまずプッシュ系のトレーニングから始め、その後に様々なトレーニングをしていきます。
ここまでの話では、「どういうことか全く分かりません!何をやればいいんですか?」という声が聞こえてきそうなので、詳しく解説していきたいと思います。
プッシュ系を鍛えるべき理由
1.神経的に弱くなりやすい
私たちは日常の多くの時間を重力に逆らって、体を伸ばす方向に筋肉を働かせています。また、仕事やスポーツ中など、精神的に緊張して交感神経が優位になることで、体を伸ばす筋肉が過剰にがんばりすぎていることが多いです。
そんな状態が続くと、私たちの脳は体を曲げる(プッシュの動き)を忘れてしまい、自分のカラダの動きがコントロールできなくなってきます。
プッシュの動きができない状態でトレーニングや練習をしても、カラダが上手く動かずトレーニング効果がでづらい状態になってしまいます。
失われやすいプッシュ系の動きを取り戻すことで、状況に応じて自分のカラダを正しく使いやすくなります。
2.体幹が安定する
プッシュ系で使う筋肉で代表的な筋肉が”腹筋群” です。プッシュ系の動きができていないと、腹筋群も使えないため体幹が非常に弱い状態となります。
プッシュ系トレーニングの中で腹筋群を連動して使うことにより、体全体の連動や、使うべき筋肉をしっかり使えるカラダの使い方ができるようになります。
プッシュ系トレーニングをやってみよう!
プッシュ系のトレーニングからまずは基本的な3つのエクササイズをご紹介します!
1. 土下座のポーズ(1st ポジションIAPエクササイズ)

プッシュ系トレーニングの中で最も難易度の低いエクササイズです。まずはプッシュ系で必要となる脊柱の動きや呼吸を整えていきます。
土下座の位置でしっかりと息を吐きます。最大まで息を吐き、体が丸くなるようにします。息を吸った際には、お腹ではなく背中に空気が入るようなイメージを持ちます。
これを10呼吸繰り返します。
2.四つ這いキープ(クワドラプト ウィズ ブリージィング)

体の重みを肩甲骨周りの筋肉と腹筋群のプッシュ動作で支えるエクササイズです。
まずは四つ這いになり、脊柱が真っ直ぐな状態をキープします。
この時に重要なポイントは、肩甲骨周りの筋肉で体が支えられているかどうかと腹筋を支えているかどうかです。
肩甲骨が背中から浮き出ていませんか?肩甲骨と背中に段差がないように床を手で押しましょう。これが最初はかなり難しいです!自分ではチェックできないので、誰かに肩甲骨がでていないかチェックしてみてもらってください!
肩甲骨で体を支えられたら呼吸を吐きながら体を丸め、さらに腹筋群に力が入る感覚を掴みます。
このエクササイズは特に回数やセット数は設定しません。肩甲骨周りの筋肉や腹筋の力の入りが確認できればOKです!
3. ベアーポジション(熊の肢位)

2.の四つ這いキープの状態からつま先を立て、床から3cmほど膝を浮かします。
一気に肩甲骨周りの筋肉に対する負荷が上がります。そしてお尻の筋肉(大殿筋)を使ってこの姿勢をキープする必要が出てくるため、難易度が一気に上がります。
このエクササイズは特に回数やセット数は設定しませんが、10秒はキープできるようにしたいですね!。肩甲骨周りの筋肉や腹筋、お尻の筋肉に力の入りが確認できればOKです!
まとめ
今回はプッシュ系のトレーニングを行うべき理由と実際のエクササイズについて解説をしました。
プッシュ系のトレーニングがしっかりとできるようになると、肩甲骨や体幹の連動が高まり、プッシュ系以外の動作を行う時にもカラダが上手く使えるようになってきます!
トレーニングや練習前のウォーミングアップとして取り入れていただけるとカラダの連動する感覚が掴みやすいと思いますので、ぜひ取り入れてみてください!