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動く前に止まることを知ろう!
うまく動くためには、まず、うまく止まっていることができることが大事になります。うまく立っていることが出来て初めて、うまく動くことができるようになります。
例えば、片足立ちがフラフラしているピッチャーがいたら、そのピッチャーはきっとコントロールが悪いでしょう。ピッチングの初めに片足立ちをする場面がありますが、そこでフラフラしていては、その後の動作も安定することはありません。

目を閉じて地面を感じる、自分を感じることが重要
そこで、チェックしてもらいたいのが、片足立ち(開眼/閉眼)です。
まず目を開けて片足立ちをした時に、真っ直ぐ立っていられるかをチェックして、出来たら目をつむってやってみましょう。
その時に多少グラグラするくらいは普通ですが、バランスを崩したり、体が大きく傾いたり、バランスをとるのに体が過剰に緊張したりしませんか?

普段は、私たちは目に頼ってバランスを取っています。自分が周りに比べてどんな位置にいるのか(傾いた地面や不安定なところにいないか)、地平線や周りに比べて傾いていないか、というのを目で見た情報から判断しています。
他にも、足の裏からの感覚や筋肉の感覚といった体性感覚や、耳の奥にある、前庭器官も使って総合的な情報を脳で処理してバランスを保っていますが、これらを使う割合は目に比較するととても低いです。
脳のキャパは限られている!

先ほど、視覚、体性感覚、前庭器官からの情報を脳で処理してバランスを保つというお話をしました。
スポーツでは、バランスを保った上で、さらに相手選手やボールを見て、状況を判断した上で、自分がどう動かなければならないかを決めていく必要があります。
しかし、脳みそで一回に処理できる目からの情報には限りがあります。
姿勢を保つ⇨状況判断⇨行動のうち、どこにより目を働かせるとパフォーマンスが上がりそうでしょうか?
できれば、姿勢を保つことにはあまり重きを置かず、周りの状況判断に使った方が、パフォーマンスが上がる可能性は高いです。周囲の状況を判断することに集中できれば、相手の状況やボールの位置を迅速に正確に判断することができ、戦況の判断能力や反応能力が向上します。
もし、姿勢を保つことに重きを置いてしまう状態だと、自分がその場にいることで精一杯になってしまうので、相手の動きやボールの動きについていけず、自分の行動が遅くなってしまいます。
バランスを視覚に頼るようになってしまった選手の中には、「ボールが前よりも見えなくなった」という選手もいたりしますね。
閉眼で片足立ちできますか?
さて、片足立ちの話題に戻ります。
目を開けても閉じても片足立ちできますか?
目を開けた状態で片足ができなければ、それは色々な要因があるので、今回は割愛しますが、目を開けていれば片足立ちができるけど、目を閉じるとできない、もしくは大変になる、といった選手は、バランスを取るのに目を頼りすぎている可能性があります。
これは、筋肉がないとか体幹が弱いとかの問題ではありません。
地面を足の裏で感じられているか、筋肉で支えている感覚があるか、平衡感覚が正常に保てているかの問題です。
できない選手にやってみて欲しいこと
もしできない選手がいたら、できるだけ目に頼らなくて済むよう、体性感覚を強化するような練習を行わせるのが良いかもしれません。
①重いものを持って片足立ち
目を開けててもいいので、重りを持つことで足の裏への圧を上げていきます。足の裏にかかる圧を上げ、足の裏のどのへんで体重を支えているのか、どのあたりの筋肉で支えているのかを感じやすくなります。
自分の体の中に意識を向け、支える感覚を掴むことで、外部からの情報(視覚)に頼らなくても良いようにします。
②閉眼でバランスを取る練習
視覚を遮断することで、①と同様に、自分の体の中に意識を向け、支える感覚を掴むことで、外部からの情報(視覚)に頼らなくても良いようにします。
閉眼で片足立ちできたら…
閉眼で片足立ちができる重要性についてご理解いただけたでしょうか?
動く前に、止まってることがうまくできことの重要性を感じていただけたら幸いです。
今後は、さらに目をプレー中に使うための練習についても書きたいと思います。
全ては選手のために。今日も知識と見る目を養っていきましょう!